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まんざらでもない生活日誌略して「まんせい」

本、漫画、映画、音楽が好きなサブカルになりきれない者の戯言です

『ゴーストバスターズ』とか『グランドイリュージョン』など

最近立て続けに大作映画を観ました。

気づけば、割とハリウッド系映画も充実してるし、

邦画も好調な今シーズン。

もう少しマイナー系な単館上映の映画にも手を出したいとこですが、

いかんせん大作を観るだけでも一苦労。


まあ、今ヒマなんで観に行けばいいんですけどね!

でも現在求職中の立場としては夫が働いているのに

週に何回も劇場に通うのも気が引ける。

自分ってマジ常識人だな!ということを痛感します。


せめてもの償いに映画館にはファーストデー、レディースデー、

レイトショーにしか行きません。

どうしてもそのほかの日に行かなければならない場合は

金券ショップで株主優待券などを探し、少しでも安く観る。

でもまあ、きっとめちゃめちゃ金持ちだったとしても

自分は1800円の正規料金を払って映画を観ることはないんだろうなあ・・・

染みついた庶民精神よ!!!


もしビルゲイツの養子になれたりしたら1800円払うのも

『たまには実社会に金を還元して流通を促さないとな』

という気持ちで惜しくはなくなりそうなのですが・・



さて、観たかった『ゴーストバスターズ』を観に行きました。

1984年版のゴーストバスターズが大好きだったわたしですが、

その続きだったりするのかな?と思ったけど、

今回は完全なるリブート版だったのですね。

ゴーストバスターズ』(監督:ポール・フェイグ)

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前回のゴーストバスターズ(以下「GB」と言いますね)は

おっさん4人組だったのが、今回は女子4人。

日本で言えば『モテない系女子』っぽいメンバーです。


大学を追い出された物理学の研究者の女子3人=

冴えないファッションで優秀な物理学者だけどどうにも要領が悪そうなエリン、

誰にも理解されそうにない幽霊研究を続けているぽっちゃり気味のアビー、

天才と変人は紙一重を地で行くホルツマン、

プラス

たまたま知り合った、地下鉄のメトロカードを売る職員だったパディ。


ゴーストバスターズを始めた4人だが

真実を隠蔽しておきたい政府の思惑も絡んで

なかなか世間に認められない。

活躍が思うようにできないなか、ゴーストをNY中に蔓延させようと

陰謀を企てる男の存在に気づくGBだが・・・



アメリカではメンバーが女子に変わったことでちょっとした炎上が

巻き起こったとのことですが。


わたし自身も実は映画を観たあと『オリジナルの方が面白かったな』

と思ってしまった人のうちの一人ですが、

それは別にGBが女子になったからではありません。

単純になんだかテンポが悪かったというか、編集がよくないのかな?


なんせ、オリジナル版を好きな人ってたぶんあのテーマ曲とともに

ゴーストがバーーン!!と登場するとこが好きなんですよね~

ところが今回はオープニングから消化不良。

タイトルの出方もなんだか地味だし、

あのテーマソングがブツっと途中で切られてしまう。


おいおい、ゴーストバスターズこれから始まるよ!っていう盛り上がりさえ

きちんと見せてもらえないとは・・


あとなんか中盤までグダグダしています。

理系的な専門用語を並べて説得力を持たせようとしているのかもしれませんが、

まあ、そこはエンタメ映画ですからもっと省いちゃっても

OKだったんじゃないかな?


やっと最後の方でGBらしいお化け百鬼夜行的な、

ジブリ映画で言えば『平成狸合戦ぽんぽこ』で幽霊がパレードするみたいな

そんなシーンが出てきます。


もちろんオリジナル版のころのVFXはチャチなものだったので

それと比べれば現代は格段に綺麗でリアルなCGになったのですが

いかんせん昨今はCG映画全盛ですから、もうそこらへんの新鮮味もないわけで。


主要キャラクター4人はキャラが立っていて、全員愛すべき人たちで

大好きだったのですが・・

特にホルツマンのクレイジーさ最高!


ところが、ひとり個人的には疑問を感じたのが

GBの受付係として採用されたケヴィン。

マイティ・ソーなどで有名なクリス・ヘムズワースが演じています。


素晴らしい筋肉を持ち、さわやかなイケメンで見た目だけは抜群。

しかし、電話はロクに出れず仕事は壊滅的にできない、つまりは単なるバカ。


このケヴィンのおかげでGBのメンバーも少なからずひどい目に遭うわけですが、

見た目のせいか、憎めない性格のせいかマスコットキャラ的な存在に。


これは昔からよくあるパターンの、

男性の中に紅一点、セクシーだけど頭はユルい女の子が

場を華やかにするための要員で登場するみたいな、

それを逆バージョンにしたようなものなのかもしれませんが、

女子が強くなったからってアホな男性をそこに存在させて

可愛がれば、それが男女平等ということなのか?!

雇用機会均等法ということなのか?!

というとなんか違う!!と思ってしまう。


別に、そこまで深い意味で登場したキャラクターではなく、

物語を転がしたり、ちょっとコミカルに仕立てるにはこういうキャラが

必要だったのだろうなー、とは思うのですが

ジェンダー論の授業を取ったりしていた自分には

なんだか描き方に疑問に感じてしまうところではあります。


まあ、難しいこと考えずにケヴィンのアホさを笑うのが

本当は正しい観方だと思います。


そんなこんなで新生ゴーストバスターズは自分の中で

可もなく不可もなく、な印象でした。

エンドロールの続編をにおわしたりするとこもなんだかなあです。

もっとスカっと楽しんで観れると思ってたけど、残念だなあ。


オリジナル版の主演だったビル・マーレイも少し出てきますが、

せっかくなら味方の役回りで出てきてほしかったな。


ところで全然本編とは関係ありませんが、

この映画を見に行ったとき、隣に座ってた20代半ばくらいのカップルが

最低でした。

上映開始後に携帯はなるわ、始まったあとから終わるまで、

ずーーーっと顔を寄せ合って、どうも映画の内容のことではなく

単なるおしゃべりを続けていたのです・・・

決して会話の内容が聞こえるほどのボリュームではありませんが、

ボソボソ話す声って人間の本能なのか余計気になってしまうというもの。


映画の上映前にどこの映画館でも

『上映中はお静かに、携帯はオフ、館内禁煙、撮影禁止~~♪』

みたいな注意事項の映像を流してて

今時そんなの常識でしょ!!と思うけど、

やはり守れない幼稚な人がいるからいまだにあれ流してるんだなー・・

残念なことに、それが守れない人ほどあんな注意事項なんて聞いてないんでしょね。


ほんとに頭に来たので腹いせにそのあと『シンゴジラ』をまた観てしまいましたが、

そのときはドレッドヘアでアジアをバックパックで回るのが趣味です、

みたいな恰好をした男子がおばあちゃんにシネコンのどこの部屋に入ればいいか

教えてあげてたり、

隣りに座った50代か60代くらいのご婦人が庵野監督の素晴らしさについて

ほめたたえてくれてたりしてちょっとほっこりしました。



そして次はこれ。

『グランドイリュージョン 見破られたトリック』(監督:ジョン・M・チュウ)

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こちらは2013年に公開されたグランドイリュージョンの続編。

割としっかり内容はつながってます。


わたしは前作を劇場で観てかなり楽しかったので

この続編に期待してました。

とはいえ、劇場で観たから面白かったけど、

テレビ画面で観たらピンとこないであろう、と思ってたので

全然内容の復習をせずに行きました。

なので人物のつながりとか過去とかすっかり忘れていて

やっぱり1stを観てから来たほうがより楽しめるかも、と思ったのも確かです。

でも2から観ても大丈夫!だから観に行ってほしい!


でも、これから1を観てそのあと2を観に行くよ!

という人には若干、以降ネタバレ注意です。


前作で悪を働いた銀行と保険会社からイリュージョンを使って

金を回収したマジシャンの4人組・『フォー・ホースメン』。


新しいメンバーを加え、企業のショーを乗っ取り、

イリュージョンで不正を暴こうとするが

何者かに妨害され、失敗してしまう。

会場を脱出した彼らだが、気づくとそこはマカオの街。

いつのまにか、陰謀の罠にハマっていたホースメンは・・


てな感じです。


マジックってそもそも実際に目の前で見るから驚くんじゃないの?

と思いますが、ちゃんとそれを体感しているように思えるところが

この映画のいいところ。


フォーホースメンのショーに巻き込まれているように感じるところが

トリップ感があってとてもよいのです。

ただし、やはり映画館という画面が大きく音響も優れてるところで観ることが

大きいので、そこがテレビ画面で観る人には不利かも。

1stを観ていまいちだと思った人は映画館で観てないのかもしれません。


さっきまでアメリカにいたのになぜマカオに?

もちろん、映像でそんな編集するのは今やおちゃのこさいさいなのですが

(さいさいってところでなんだ?)

では実際にそんなことが起こるとしたらどんなトリックを使っているのでしょうか?


それを考えることがこの映画の楽しみでもあります。


この映画に出てくるホースメンはみな、腕のたつマジシャンであり、

イリュージョニストであり、メンタリストです。


彼らは超能力者ではない。

すべてのマジック、イリュージョンには必ず種もしかけもあるのです。


そのイリュージョンを仕掛けるには実はそこに至るまで

長い時間や地味な作業、まさかそんなことまでする?!という

準備が積み重ねられているのです。


この映画を観ると、世の中に不可能はないような気がしてきます。

それこそ、銀行の金庫からお金を吸い上げてショーでばらまくことも。


舞台がマカオに移ったことで、中華料理店の厨房を通り抜けたり

市場の中でアクションしたりなどお約束の場面も。


この中華街での長いアクションシーン、無くてよくね?と

思った人も多かったようですが

実はわたしはマーク・ラファロという俳優が大好きでして

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アベンジャーズシリーズのハルクを演じたのが有名かもしれません)

彼が華麗な身のこなしでアクションするのは

なかなか良いものを見せてもらった感じでした。

見た目はもっさいおじさんですけどね・・・・


あとフォースメンのリーダー・ダニエルを演じる

ジェシーアイゼンバーグも大好きです。

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夫がこの人、嵐の二宮くんに似てるよね、と言ってましたが

まあ確かに。

ハリウッド系俳優の中ではあっさり気味の顔立ちですよね。

ソーシャルネットワーク』が代表作の人です。


彼の現代っ子っぽいけど

早口で頭が切れそうな、カリスマ性を感じさせるとこがとても良い。


ちょっとショー的な要素は前作より地味になっちゃったかな?

とは思いますが、個人的にはマークラファロとジェシーアイゼンバーグで

大満足ではあります。


ハリポタ以降、すっかりとっちゃん坊やになった

ラドクリフくんがお金持ちで我儘な二世を演じてるのも

なかなか楽しかった。


けど、前作の派手で華やかな感じが好きだったので

3がまたあるのなら監督は元の監督か、違う人がいいな・・

とついつい思ってしまったものでした。

不倫ドラマの今とちょっと昔

子供のころからテレビドラマはよく観ていた自分ですが、

今期のドラマはほとんど観ていませんでした。


そんな自分がなぜか毎週録画しているドラマは

『せいせいするほど、愛してる』(笑)です。

何回言っても書いてもこのタイトルの笑いを禁じ得ない

秀逸さよ!(褒め言葉)


観てない方のためにざっくり内容を説明しますと、


ティファニーの広報部に勤務する武井咲(役名は「栗原未亜」)が

コネで副社長に就任したタッキー(役名は「三好海里」)

と恋に落ちる物語。


めんどくさいのでここからは役名ではなくタレント名で説明しますね。


実はタッキーには事故で意識不明になってしまったままの妻がいるのですが、

その妻が目を覚ましたからさあ大変。

妻とは本当は事故直前に離婚することになっていたのですが

妻は事故の衝撃でそれを忘れている。

粘着質っぽい妻の追及を受け、別れる決心をしてもそこはほれ、

なかなか若者の情熱というものは

冷めないものでございまして、

「もう別れる!」と「やっぱりスキ!」を繰り返しては

グズグズしているのですが

その間にジミーチュウの社員、中村蒼(役名は「宮沢綾」)に

武井咲が言い寄られたりでなかなか美味しい思いをしたりしています。



まあ、ベタ中のベタなドラマではありますよね。

昔、くりぃむしちゅーの番組で「ベタドラマ再現」みたいなコーナーがあり、

<待ち合わせに恋人が現れずレストランで閉店時間まで待ちぼうけ>

みたいなベタな展開、さあこのあとどうなる?!という

その後のストーリーを予想するドラマがあったものですが

その再現ドラマかよというくらいベタです。


実際、待ちぼうけシーンも今週見事にありました。

待ちぼうけさせられたのはジミーチュウですが・・

中村蒼の役のことはジミーチュウと呼ばせていただきます)


武井咲にプロポーズするためにティファニーでプレゼントを買い

(あんまり画面を見てなかったけどたぶん婚約指輪なのでしょう)

お高いレストランで彼女を閉店時間まで待っていたジミーチュウ。


一方、武井咲は不倫で窮地に追い詰められたタッキーのために

奔走していてジミーチュウとの約束など完全に忘れていたのでした。

不憫・・・。


まあ、とはいえどうせ最後は妻とも離婚して武井咲とタッキーは結ばれ

めでたしめでたしなんだろうし、

特に自分もストーリーの今後が気になって観ているわけではありません。

そもそも第一話が始まったときには録画してあったものを観て

5分でウンザリして録画を消してしまったものです。

それなのに結局なんでこのドラマを観ているかというと

そのツッコミどころの多さゆえ、でしょう。


このドラマにはほぼ毎週、ある2つのシーンが挟み込まれます。

それがどんなシーンかというと

タッキーがエアギターで豪華な自宅マンションの中で暴れまわる

シーンと

武井咲がひとりカラオケをするシーン、しかもやや懐かしい選曲

山口百恵パフィーなど)(しかもあんまり上手くない)

のシーンです。

気になった方は某動画サイトなどをググってみてください。


このシーン、きっと毎回のように流すはずではなかったとは思うのですが

きっとSNSで

『エアギターwwwウケるwww』

などという書き込みが多く上がったため、

制作者側が味をしめたんだろうなあと思います。


このドラマを観ている人の多くが今週はいつエアギターが来るのか、

そして今週の選曲はなんなのか・・・と

胸をワクつかせてるのではないでしょうか。


残念ながら今週の放送ではどちらも放送されず、

流し見していた自分も「あれ?あのシーン今週はいつやった?」と

思わず巻き戻して見てしまったのでした。


NAVERまとめでもさっそく

<エアギター不発で、待ちきれない人続出>などというタイトルで

上がってましたし。


次回予告では今週はそのシーンがなかった償いのためなのか、

タッキーと武井咲が二人でエアギターを弾く?シーンが。

もうこのドラマの主題とはなんだったのか。


エアギターはタッキー演じる副社長が日ごろのストレスを晴らすために

やっているようですが、お金はあるんだろうし、

エアギターじゃなくてスタジオでも借りて

本物弾いたらいいのに。

もしや、実は本物のギターは演奏できなかったりするのなら

ちょっとダサい。


さて、そういったシーン以外にも

取ってつけたようなお約束シーンが。


妻が武井咲に向かって言うセリフ『この泥棒猫!』

また、来週は『メス豚!』などというセリフも飛び出すようです。


なかなか現実には、彼氏を取られようとも夫を取られようとも

このセリフを口にするのは勇気がいることだと思います。

でもこういうドラマだとさらっとそのセリフが出てきます。

『よっ!待ってました!』

と江戸っ子じゃなくても言いたい気分。


とまあ、一応ドロドロ不倫ドラマ展開をしてはいるものの、

妙にそのテイストは軽い。

武井咲ルームシェアしているトリンドル玲奈

もう一人の友達(なんていう役者さんか分からず)も

一人の男(作家)を巡って女同士の争いを繰り広げてはいますが、

まあなんだか説得力がない。


あと、その奪い合っている作家の書く本が

『トールラテの恋人』とかいうタイトルだったりして

世界一ダサい。


しかも作家のルックスも特によくない。

なんでこんな男を奪い合っているのだ?


舞台だけはドロドロしているけど、

演技の問題なのか、脚本の問題なのか(それは大いにあるけど)

役者たちがそろいもそろって今風の容貌のせいなのか、

なんだか空回っている感じ。


タッキーというアイドル中のアイドルみたいな存在の人が

オフィスにいる、という絵面がすでにリアリティがない。

なんならティファニーの社長役の松平健武井咲が不倫、

みたいな方が萌えたかも。


そもそも、ティファニーくらい有名な会社の副社長とは

あんなに一般社員と同じオフィスをうろうろしているものなんでしょうか。


大企業と言われるとこでアルバイトのように働いてたことがありますが、

ちょっとした役職の人だって仕事は会議に出るのがほとんどで、

現場の仕事に携わってはいませんでしたが・・


ひとつ言えるのはティファニーとジミーチュウ、どちらとも

このドラマにかかわったことで全然得してなさそうなことでしょうか。

きっと両社の広報部員たちも頭を抱えていることかと思います。



ところで現在、自分が住んでいる地域ではTBS系で

2001年ごろに放送されていた『昔の男』

というドラマが再放送されています。


脚本は内館牧子

えげつないけど妙に説得力のある物語を書く人です。


自分が子供のころ見てたドラマを思い返してみても

『想い出にかわるまで』『あしたがあるから』

『クリスマスイブ』など、

不倫や恋愛の上での略奪などありふれたテーマを描きつつも

どこかつきささるセリフやシーンがあったり、

結末に愕然とさせられたこともあり、好きな作家のひとりです。


自分がたしか思春期のころに放送された

『都合のいい女』なんかは

第一話ののっけから浅野ゆう子演じる主人公が風間杜夫演じるタクシー運転手と

公衆トイレでセックスするなど、

内館牧子以外ならまあ書かないだろうな・・・

と今でもその刺激的な光景を思い出します。


ここ数年のドラマを思い出しても

これくらい<体当たり演技!>みたいなのって少ない。


せいぜい、清純派と言われる女優が少しディープに見えるキスシーンを演じたり、

デコルテから上を出してベッドシーン演じたりするくらい。


デビュー当時の中山美穂が素っ裸になったりとか子供心に衝撃だったけどな。

駆け出しのときの常盤貴子が風俗嬢になる場面で胸をあらわにしたのも

おおう!と思った。


最近は誰の苦情にビビっているのか、はたまたスポンサーがうるさいのか、

過激と言われるシーンも少なくなって、学芸会のようなドラマばかりが

増えてしまったものです。

そりゃつまんなくなったって言われるわけだ。



さて、今再放送されている『昔の男』も

毎週毎週繰り返される『よっ!待ってました!』的ベタ展開に

当時結婚したばかりだった夫と一緒に盛り上がったものでした。


物語は藤原紀香演じる自称・ルックスがいいという長所だけで

今まで生きてきた主人公・あかりと

(そう自称するモノローグが冒頭にあるのですが

それだけで女には嫌われるタイプなんだろうなあ、

というのが分かって秀逸です)


その「昔の男」、大沢たかお演じる嵐が

再会して焼けぼっくいに火が付く話。


大沢たかおの妻役が富田靖子なんだけど、

「本妻が富田靖子」というワードだけでなんだかザワザワしますよね。


このドラマでは「昔の男」「昔の女」という言葉がやたらと乱用されます。

2016年現在なら「元カレ」「元カノ」といった言葉になるかもしれませんが、

2001年だからその言葉がなかったわけではありません。

あえて「昔の男」という言葉で品のない感じ、

生生しい感じを演出しているのでしょう。

そして当時まだ30代前半だった藤原紀香がその言葉を口にするときの

ヤラしさったらない。


紀香、30代そこそこでもうすごい熟れっぷりです。

自分は

藤原紀香って代表作も特にないけど

なんでいつも大女優然としているのか・・・」と

疑問を常に抱いてはいますが、

この「昔の男」こそがもしかして代表作といえるかも。


現在の彼である阿部寛に対して

『結局わたしの身体が目当てなのね!』

と言っても、

「まあそうだろうね」と、こちらも思うしかない。


「昔の男」である大沢たかおもまあそりゃあ夢中になるだろうて。


富田靖子演じる「嵐」の妻は

手芸と料理が得意で、妻として生きることに

大いなる生きがいを感じているタイプなのですが、

いかんせんウザい。

どこが悪いのかと言われたら、ただウザい。それだけなんでしょう。

ツラい。


この「ウザい」というやつはほんと曲者で、

一生懸命やればやるほど本来は加点されなければならないのに

その対象を間違えるとただただウザい人になってしまう。

悲しいものです。


夫のためにやることがただただ裏目に出る。


夫の職場に差し入れを持っていく。

夫の実家でかいがいしく働き、かわいい嫁を演じる。


本人はよかれと思って行動することが全部

「うっとおしい」という感情の前では減点です。

そしてだんだんと妻は狂っていく。


『昔の男』の中での藤原紀香演じるあかりは

妻にも、彼氏である阿部寛に思いを寄せる同僚女子にも、

さらには妻に思いを寄せる大沢たかおの部下にも

妬まれ、悪者にされて

泥棒猫だの淫乱だの、男をたぶらかす女だの言われて

さんざんな目に遭います。


なっかなか実際の不倫現場でも

そうそうこんなドロドロの修羅場を迎えることはなさそうな気はしますが、

藤原紀香がエロいボディでもっさい恰好をして

みんなに口々に責められたりするのに妙に説得力がある。

「業の深さ」がにじみ出ている感じ。


自分は特に不倫と言うことに賛成も反対もないし、

日常にありふれていることで、

そのことに対して第三者がどうのこうの言うことではないと思ってます。

それが、綺麗も汚いもないし、人間とは結婚しているからといって

そうそう真面目に配偶者のことだけを想って生きれるものではないと思います。


けれども、一般社会では「結婚してるからって恋しタイ!」という

恋愛至上主義はまだまださすがに受け入れられていない。


婚姻届が受理されている限り、妻は夫のもの、夫は妻のもの。

そこに割り込んでくる人の方が基本的には「悪」とされます。



『昔の男』にくらべて圧倒的に『せいせいするほど、愛してる』が

薄っぺらいものに感じる理由はそこらへんにあるのではないでしょうか。


『昔の男』はたぶん、真っ向から不倫の「汚さ」を描いています。

いくら愛だの恋だのといっても、

所詮は夫を妻から奪うというのは

一般的には褒められたことではありません。


対して、『せいせいするほど、愛してる』は

たぶん「不倫だけど、純愛」というテーマを描こうとしているのでしょう。

それにしては何かが足りない。


障害(=妻)がある恋だけど、それを貫きたい、

それだけではなあ。

障害があるからこそ燃える、

けれどそれがなくなったら冷めてしまうことだってよくある。


自分に特に好きな相手がいなくて、

そんなときたまたま自分好みの人が目の前にいれば

人間なんて簡単に「恋している」と錯覚できる生き物だと思っています。


『昔の男』では繰り返し、「あかり」と「嵐」のベッドシーンが

出てきますが、別れようと思ってもどうしてもしてしまう、

というところに

「ああこの二人は身体の相性だとか肉欲で

お互いをすごく欲してるんだろうなあ」

と妙に納得してしまいます。


大人だから、やっぱりそこは無視できない要素ですよね。

愛だの恋だの言っても結局はそこに集約されるんじゃい!と。


やっぱ妻とするより楽しいからどうしても会いに行ってしまうんだろうなあ、

というのが伝わってくる。


『せいせい~』では

「そんな肉欲とかじゃなくて精神的なつながりをだな!」

ということを描きたいのかもしれませんが、

それにしては描き方が表面的すぎるので

感情移入しにくい。


エアギターのシーンもひとりカラオケのシーンも楽しくはありますが、

それはSNSをやっている人どうしで

「なにこれww」

と盛り上がるのが楽しいのであって、

ストーリーで楽しんでいるわけではありませんし。


そういう飛び道具的シーンに頼らず、

どうかストーリーでこちらを引き付けてほしい。

と、思うけど、もう物語は終盤を迎えてるしムリかな。


カムバック!内館牧子的ドロドロ不倫ドラマ!

と切に願うのでした。

『シン・ゴジラ』で邦画も捨てたもんじゃないと思った(ネタバレ注意)

ちょっと忙しくしてるうちに開設そうそう放置してしまいました、こんにちは。

ちなみに当方の「忙しい」はあくまでも当社比であり、
一般的感覚での「忙しい」とは異なっておりますのであしからず。


これ観ました。

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シン・ゴジラ

脚本・編集・総監督 庵野秀明
監督・特撮監督 樋口真輔

です。


自分はそもそもテレビシリーズから今まで20年ほどエヴァンゲリオンシリーズを
追っかけ続けてる、言ってしまえば「庵野信者」なのですが、

それでも実は『シン・ゴジラ』公開前にはその内容については
あまり期待してませんでした。


もちろん庵野監督の特撮への愛も、樋口監督の特撮の素晴らしい技術も
十分知ってましたし、

2012年に開催された『館長 庵野秀明特撮博物館』なんかも観に行ったりしてました。

特にその中で公開された『巨神兵東京に現わる』の出来栄えがとても感動的で、
館内で何度も何度も観ました。

巨神兵といえば、言わずと知れた宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』に出てくる
人体を模したような巨大な兵器なわけですが、
ナウシカ巨神兵登場のシーンを庵野監督が担当していたのは有名な話。

自分もあのシーンは幼いころからナウシカを観るたびに感動するポイントだったので
エヴァンゲリオンが好きになってから巨神兵の担当が庵野監督だったことを知って
「ああ、だからエヴァンゲリオンも一目ですぐハマってしまったのだな」と
腑に落ちたものです。

そして、『巨神兵東京に現わる』を観て、ああ庵野監督にとって
エヴァンゲリオンとはこの巨神兵からインスパイアされたものだったのだなあと
またまた納得したのでした。

(『巨神兵東京に現わる』は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のBD/DVDに
収録されてますので、ぜひご覧ください)


巨神兵~』の完成度を見れば『シン・ゴジラ』への期待も膨らみましたが、
同時にむくむくと湧き上がる不安要素もあり・・


庵野監督の実写映画はこれまで評判があまり芳しくなかった。

キューティーハニー』なんかはファンとしてはそれなりに楽しめましたが、
特にファンでもなんでもない、ヲタでもなんでもない方が観たときの感想は
やはり微妙な具合なのではと。

②樋口監督の去年のアレ

あの「大きな全裸の人たちが壁の中に入ってくるお話」の公開後に繰り広げられた悲劇は
全く制作現場に関係ない自分も思い出したくない。

樋口監督、きっとお辛かったであろうな・・と切ない気持ちになります。


③樋口監督の去年のアレの中のあの人

去年の全裸の人たちの映画の中で、石原さとみさんが演じた役が
どうしても受け入れられなくてですね。

あの役については賛否両論あったのでもちろん彼女の演技が
素晴らしいと思ってる方もいるでしょうが・・

いや、演技力がどうこうとかじゃなくてさあ~~、なんつーの?
テンションの?
違和感?
小劇団のスター女優の独壇場みたいな・・・・

まあ、そこらへんは俳優さんの問題じゃなくて演出した側の問題ですよね。


とかまあ、以上のような理由で、

庵野さんの実写映画不安・・』
『樋口さん、去年のアレが再びだったらどうしよう』
石原さとみ・・・また?』
とか思ってですね・・

「失敗」だったとしたら怖くて観れない!

身内が駄作だの言われたらたまらない・・
(注:身内でもなんでもなく単なるいちファン)

などと勝手にやきもきして観に行くことを躊躇してたのですが

公開後、各方面から沸き起こる絶賛の声に自分の不安は杞憂だったのかと思い、

さっそく公開3日目には劇場へGO。いやWent。

こういうところが自分ってチキンだなと思いますよね。


さて、そもそもゴジラシリーズにそれほど興味のなかった自分は

テレビでたまに昔のゴジラ映画をやるたびになんとなく観る程度。

2014年版のハリウッド製ゴジラ(『GODZILLAギャレス・エドワーズ監督)も
観に行きましたが

ゴジラがなかなか出てこないし、画面は暗くて現在何が起きているのか
把握しにくいし、恐ろしさもワクワク感もなく消化不良』

といったような感想でした。


な、わけで今回観に行った際も

『さてさて・・庵野君。ゴジラ好きでもなんでもない吾輩を
どう楽しませてくれるのかな?』

という謎の上から目線な心中で臨みました。


以下、ネタバレあり。


・・・・いやー、そしたらばね!震えたよね!


まず、情報量の多さ。

セリフの速さハンパねー!

んで、登場人物が、いちいち政府の中のどこの所属の誰かっていうのが

テロップで出てくるんだけど、

全然読めねーし、把握できねーの。


日ごろ、

『洋画って苦手なんだよねー。字幕が読みながら画面観るのって
難しくない?』

とか言ってるタイプの人を

「けっ!貴様の理解力が乏しいだけだろうが!

そんな奴はせいぜい吹替でビバリーヒルズコップでも観てな!」

と思ってた自分だったけど

(口が悪いのは育ちが悪いから。ごめんネ!)


シン・ゴジラ』のテロップ、全然読めなかったよ!

こういう気持ちだったんだよね、きっと!


あのテロップでは庵野監督の例のエヴァのタイトルの手法

(こういうやつ↓)

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を思い出しました。


なんだろう、意味もなく「カッケー!」って思うよね。


ここらへんはヤンキーの人が特攻服の背中に刺繍で

夜露死苦』って入れるのがハイパーかっこいいと思う心境と同じかな?

(たぶん違う)

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(*特攻服刺繍屋さんから引用)


最近のハリウッドゴジラはなかなか全身像をあらわさなくて

もったいぶるなあ!と思ってましたが、

今回は早めの登場。


でも一見、『ハァ?あんた誰?』な容貌。

両生類を思わせる、ビー玉のような無機質な丸い瞳・・・

そしてうねうねした身体はまるでヤモリだとかツチノコのよう。

見たことないけど。


わたし『うっ!かわいい!でもキモい!』


キモかわいいってああいうことを言うんですよね。

アンガールズの田中さんもブレイクしはじめのころは
キモかわいいって言われてたっけ。


『ほんとに・・・あんた、ゴジラなのかい?

昔っからそんな恰好だったかねえ。

ばあちゃん、しばらく会ってなかったから本当にあんたがゴジラなのか

分からないよ・・・でも、そうだって言うなら、

たぶんあんたがゴジラなんだろうねえ』

という田舎のばあちゃんの心境!

ばあちゃん、もうすぐオレオレ詐欺にひっかかりそうです!

ゴジラ、ばあちゃんにもうちょっと頻繁に連絡してあげてよ。



ゴジラ、出て来たー!!ワアア!!

とか はしゃいでたらまたカメラは官僚の会議にズームイン。


どこの部署が?

どのように?

何を使って?

ゴジラを倒すか、という議論が細かく細かく、積み上げられていきます。


パンフレットを読むと

実際に庵野監督の脚本をベースに、中川監督助手が

各省庁へ取材したりアンケートに答えてもらったりと、

現実にこのような災害が起きたらどういう組織が立ち上がるのか、

各省庁はどのような働きをするのか、

大臣はどこに待機するのか、劇中の会議の伝達方法は正しいのか、

そういったことをきちんと確認しているとのこと。


見たこともない巨大生物が街を破壊する___

そんな災害はほぼほぼ起こることはないでしょうが、

だからといってそのとき実際日本の政府はどういった対応になるのか?

そこをおろそかにすると単なるコメディになってしまう。


完全に空想上の存在であるゴジラ

リアリティを与えるためには、

ゴジラ以外のことすべてがリアルに感じられるように

追及する必要があるわけですよね。


民間人が多数残っている地域で爆撃を開始してもいいのか?

と葛藤する総理大臣、

そりゃ人間ですもの。

もちろん倫理的に、自分の良心的にそう思うのも当然、

でもたぶん、「自分がGoサインを出すことによって出る被害」に

責任を負いたくないのもあるだろう。


米国の軍隊に任せちゃった方がいいんじゃない?

その方が結局丸く収まるんじゃないの?的な

その場しのぎ、できるだけ責任を転嫁したい人たちも当然いて。


ひとつの決定が通るのにいろいろな省庁を経て、

該当部署の責任者のハンコがものを言う、

とかいうのもいかにも日本的。


このいかにもな人々が描かれる中で、ひとりだけ妙に異質な存在、

そう、それが石原さとみ演じるカヨコ・アン・パタースン、米国大統領特使。

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えーと、ハーフ?っていう設定。

最初はルー大柴的なそのしゃべりに

「お、おう・・・」

と多少引いていた自分でしたが、

なぜ彼女だけが浮いた存在なのか?と考えていて、


そういえばエヴァンゲリオンシリーズの中でも、

出てくる登場人物の女性たちはみんな自己主張が強くアクがある人ばかり。

ミサト、レイ、アスカ、リツコ、マリ・・・


エヴァの登場人物の中では、

男性キャラクターはシンジ、ゲンドウ、冬月、加持など

割と実際にもいそうな性格なのに対して、

女性キャラクターたちはみんなエキセントリック。


エヴァはアニメーションですが、描かれる舞台設定は

エヴァンゲリオンという空想上の存在以外は割りとリアル、

その中で実際にはちょっといなさそうな女性たちが活躍する、

そのことで物語は回っていきます。


この『シン・ゴジラ』の中でも庵野監督は

カヨコという異質な存在を使って

ゴジラ以外は地に足がつきすぎて無機質になってしまう物語に

彩りを添えているのだろうと思い、

なんとなく自分の中で腑に落ちました。


まあ、ただ、まだ一回しか観てないので

『結局カヨコって何しに来たんだっけ?』

的な疑問は残ってますが・・再度観たらカヨコの働きぶりが

分かるはずです!


ゴジラを倒すために<巨大不明生物特設災害対策本部>が設置され、

その事務局長に任命される、矢口蘭堂内閣官房副長官。

演じるのは長谷川博己


ご本人のキャラクターがもともと強すぎないからこそ、

巨人と戦ったり

中学教師なのに教え子を「神様」と崇めたり

不敵な言葉をささやいては「チャオ!」と言って風のように去る変態だったり

頼りない父親だったり、

深キョンに「コウ君がエッチしてくれないから!」と責められたり、

働かないことがステイタスの高等遊民だったり、


色んな役柄で重宝されている俳優のひとりです。


今回の真面目で任務に忠実なエリート官僚という役柄もよく似合う。


彼が中心となっていかにゴジラを撃退するかという作戦が

変人ばかり揃った<巨災対>で練られるわけですが、

まあ、結果その作戦の地味だったこと。


けれども、その地味さが逆に「イイネ!」なのです。


エヴァヤシマ作戦を思わせるこの作戦ですが、

むしろ日本中の電力を使ってエヴァ陽電子砲を撃たせるという

ヤシマ作戦のほうが派手。


でも現実に日本が巨大生物と戦うぞ!ということになったら

ほんとにこういうことになりそう・・・


日本の、実直で地味で、でもコツコツと勝ちを積み上げる、

ウサギと亀で言えば亀的なところがよく出た、

とても良い作戦だと思います。


メカ好きな人には

ワアー!戦車だけでなく

新幹線が!山手線が!

クレーン車たちよ・・・偉いぞ!


という萌えが楽しめるはず。

電車かわいいよ電車、車かわいいよ車、

みたいな気持ちになってきます。みんな偉いね。がんばったね。

とハナマルあげたい気分です。


そんなこんなで、『シン・ゴジラ』すごく楽しんでしまいました。

去年は『マッドマックス』『キングスマン』あたりにハマってしまい、

何度も観に行ってしまった自分ですが

今年はゴジラがそれになりそう。

邦画は一年に数本も観ないので自分でも意外です。


最近はすっかり邦画が興行収入ランキングでも上位に入るようになってきていますが、

かといって内容はそれほど充実していないように思います。


ヒットを狙うためにはあまり冒険できないからだと思いますが、

どうしても漫画原作、小説原作の作品が多く

(まあ、海外の作品も今はアメコミもそうだし、小説原作も多いと思いますが)

そうなると原作と比べてどうだとか、

そういったことばかりに気を取られてしまうし

SFやファンタジーものは邦画の映像クオリティだと

どうしても安っぽく思えてしまうものが多くて楽しめず。


今回のゴジラの映像が際立ってリアルに造られているとは思いませんが、

なにせもともとゴジラの醍醐味は特撮というところですから。

別にリアルでなくたってよいと感じてしまう。


地味だし、身近なものばかり使っちゃって、ぜんぜん高級な感じしないですけど、

それが逆にとても良い効果を生んでいる映画だなあと思いました。


これは自分が庵野監督の作品がもともと好きだから、

というだけではないはず。


ちなみに、このとき夫と劇場に行ったのですが

彼は邦画にわたし以上に興味がなく、DVDで十分だろう、

むしろDVDでもあんまり観たくないけど、というくらい

海外作品しか観ない人です。


観終わった後も無口だったので『アレ?やっぱつまんなかったのかな?』

と思っていたら、

『これ続編できるだろうな。すごく面白かった。

キングスマンより面白いかも』

とか言い出したのでびっくりしました。


まあ、自分はキングスマンは去年のナンバー1か2を争うくらい

個人的に大好きな映画なので

『それはちょっと言い過ぎなのでは・・・・』

と思いましたが、

エヴァにも邦画にも興味のない人がそう言うのなら、

きっと誰が観てもこの映画は面白い作品なんだろうなあと感じたのです。


かといって この『シン・ゴジラ』の真似をした手法の映画が現れたところで

きっとそれは素晴らしいものにはならないでしょう。


この映画のコピーには

『現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)』

とありました。

上手いなあ。


この映画はゴジラだけでなく様々な日本のしがらみと戦っているような

そんな作品でした。


一見、小難しそうな内容に思えるし、

きっとセリフはちゃんとすぐには頭に入ってこないし、

漢字だらけの画面だとか

地味な会議室やコピー機やら資料やらたくさん出てきますが、

ぜひ、お子さんにも見せてあげてほしい。

きちんと戦っている大人はどんな職業でもかっこいいんだよと

教えてあげてほしいものです。

吉野朔美の傑作 『ジュリエットの卵』

吉野朔美さんが亡くなったと聞いてショックを受けました。

吉野さんの作品は、思春期の自分の心を

大きく揺さぶるものばかりだったから。


その中でも、自分が一番最初に読んだのは

『ジュリエットの卵』でした。

集英社版・全5巻、小学館文庫版・全3巻で出てます)

双子の妹、飴屋蛍は兄・水(ミナト)と過ごした故郷を離れ、関東の美大に進学する。
そこで初めて女友達や学校の仲間ができる蛍だが、実の兄の水を『恋人だ』という蛍に周囲はとまどう。
水だけを溺愛する母親の元で、水だけを見て隔絶した環境で育った蛍だったが、やがて同じアパートの住人・下田や周囲の影響で新しい世界を開いていく。


『ジュリエットの卵』は当時『ぶ~け』という

集英社系の雑誌で連載してました。

今、ウィキペディアを見たら『マーガレット』の姉妹誌と『りぼん』の姉妹誌

を母体に作られ、『マーガレットをりぼんで束ねて”ぶ~け”』という語源だそうな。

知らなかった。


マーガレットやりぼんに掲載されているのは

昔からどちらかというと恋愛コミックが多かったものですが、

『ぶ~け』はファンタジーあり、SFあり、歴史ロマンあり、ギャグあり、

みたいな、バラエティーに富んだ雑誌でした。

今でもある雑誌に例えると『花とゆめ』や『Flowers』とかに近いのかな。


読んでた当時の『ぶ~け』はB5判で、少し小さく分厚かった。

そして普通、少女漫画誌の裏表紙には「日ペンの美子ちゃん」とかの

広告が載っているものでしたが、

『ぶ~け』は表表紙と裏表紙がつながっていて、

ひとつの絵になっていたのでした。


執筆陣は 吉野朔美だけでなく、松苗あけみや水樹和佳、水星茗など

耽美で美しい絵柄の漫画家さんが多かったので

表紙絵だけでも乙女心をくすぐるような美しさでした。



さて、『ジュリエットの卵』は、

双子の兄と妹との恋愛がテーマの物語。


これだけでも当時まだ中学生くらいだったわたしには

「兄妹で?恋愛なんて?しかも双子?本気で?」

という疑問符が頭の中でいっぱいになったものです。


蛍(ほたる)↓ 
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水(ミナト)
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母親は兄の水(ミナト)だけを溺愛していて、

蛍(ほたる)はいつも無視とはいかないまでも、無関心の中で育ってきた。

兄と妹、隔絶された二人だけの世界で、当然のように二人は

愛し合うように。

『私達、一生ふたりで生きていこうって誓ったの』

そう言う蛍。けれども、

『母に知れたら 私・・・ 殺される―――』

二人の関係を知ってか知らずか、水だけを手元に置きたかったためか、

母親は蛍だけを関東の大学に入れたのだ。


初めて一人だけで対峙する世界、人々。

「水のいない世界は醜い」

水以外のすべてに無関心だった蛍は周囲の人とのかかわりのなかで

徐々に自分の心を開いていく。


そのキーワードになる人物が隣の部屋の住人、下田。

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(ぶ~けコミックス3巻表紙より)


この下田さんが大学生とは思えないほど包容力と頼りがいがある人物。

彫刻科というのも渋い。

何かと蛍のピンチを救ってくれる彼にいつしか蛍は

水に対するものとは別の感情を抱き始める。


一方、蛍のいない生活の中、水はそれなりに女遊びもしているが

蛍だけに執着する気持ちは消えていない。

下田に心を開き、自分の知らない世界に出ていこうとする蛍に

危機感を感じはじめる水。


やがて、二人の関係性に気づいた母親によって事態は思わぬ方向へ・・


繊細でシリアスなラブストーリーながら、

蛍のマイペースで浮世離れした今で言えば「天然」なキャラクター、

隣りの下田さん、下田さんの飼い犬「日の丸」、

そして大学の個性的な仲間によってコミカルな面もあるのが

この作品の助けになっており、

息詰まるような展開の中での癒しだったのですが

終盤に近付くにつれて

どんどん嫌な予感が作中に広がっていくのです。

その不穏な感じの表現が吉野さんの真骨頂。


蛍の友達で男の子に間違われるくらいボーイッシュな小夏(こなつ)

なんかもとてもいいキャラクターなのですが

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最後までちょっと報われなくて切ない。


自立し始める蛍とは反対に

狂っていく母親、蛍への執着心から自分を見失う水。

そして、明かされる残酷な真実。


ストーリーも素晴らしいですが、

このころの吉野さんの絵柄がまた美しい。

花が咲いたり散ったり、庭の草木が生い茂ったり、枯れたり、

澄んだ星空や月の光、そういったもので

さりげなく季節感が表現されており

夏のうだるような暑さや、冬のキンとした空気の張りつめたような感じが伝わってくる。

絵描きとしても凄い人だなあと思います。

1ページ1ページがまるで絵葉書のよう。


内容も絵柄も今見ても全然古臭くない。

そして読むたびに発見があり、衝撃を受けてしまいます。


連載当時は、この終わり方に絶望を感じていましたが

今読み返すとそればかりではない、

希望を表現しようとしていたんだなあ、とも思います。

(でも実は吉野先生自身は完全なバッドエンドで終わらせたかったんじゃ?

という気もしています)



吉野朔美の作品はどれも心に響き

ときに落ち込ませも絶望させもするんだけど、

これほど繊細な心の動きを紙の上で表現できる人を

自分は他に知りません。


彼女の新しい作品がこれ以上読めなくなるのはとても残念で

ひとつの素晴らしい才能が失われたのは本当につらいことですが、

これからも残された作品を大事に読んでいこうと思います。


そして、読んだことのない人には一度手に取ってその素晴らしさを

体感してもらいたいなあと思うのです。

風邪ひいてるひとはお願いだから休んでほしい。

こんにちは。

ヘッドホンでNumberGirlを聴きながらこの記事を書いています。


オサレ感を出すために音楽を聴きながらブログなんぞしているわけではない。


最近、超ご近所でめちゃめちゃうるさい工事が始まってしまい

ノイズがすごいのだ。

もう工事のノイズなのかナンバガの曲から聴こえてくるリズムなのか

どちらか分からない。

今、コレ↓


4 track professional - Number Girl


そして本当はこの騒音の中、家にいたくないのだけど

絶賛 気管支炎を発病中。

微熱ぎみだけど体力的に外に出れないこともない。

しかし、咳を外でまき散らすのも気が引ける。


もともと、自分は他人から菌をもらいやすいタイプらしくて

(というか免疫系が弱いんだろう)

職場や家、たまたま会った友達なんかに風邪ひきの人がいると

かなりの高確率でうつる。


だから職場などで

「風邪ひいて熱もあるけど頑張って来ちゃった」的な人がいると

『へ、へえ~~大変だね、お大事に』

と、口では言いつつも

『てめえ、風邪ならおとなしく休んでろ!!』

と思ってしまう。


性格悪くてすまんだけど、

こちらはその「風邪だけど頑張って来た人」のおかげで

風邪をもらってしまい

そして結果、その当人より悪化したりして何日も職場を休む羽目になるのだ。


過去、そういう被害を被ったことが何度あろうか・・・


自分は免疫が弱いことを自覚してるので

外出から帰ったらうがい薬でうがいを欠かさないし、

手洗いもちゃんとする。


人の多い電車内などでは予防のためにマスクもオン。

ゴホゴホ咳込み、悪質な風邪をひいていそうなのに

口も押えずマスクもしてないような人にはマイルドな殺意がわく。


この国では「ちょっと無理した人の方が偉い」という意識が強すぎないか?

あと、職場でも「風邪くらいで休むな」みたいな考え方の人も

結構いる。


「風邪くらい」だあ~~~?

その他人様が持ち込んだ風邪でこっちは大迷惑してるんですけどお~~?


以前も職場の研修中に、風邪をひいた子がいて

リーダー的な役割を任されていた自分は

『まだ研修中で、出席してもしなくてもそれほど問題ない時期だから

本格的に仕事始まる前に休んでおいたほうがいいよ』

と アドバイスしたんだけど、


『大丈夫ですう~。ちょっと熱あるだけなんでっっ!!(ゲホゴホ)

がんばりまっす!!(ゴホゴホ)』


という

「いつでも元気がわたしのとりえ。

 がんばり屋さんだってよく言われます」タイプの子がいて、


まあ自分の本心は


『いやいやいやいや、あんたのために言ってんちゃうがな。

 周りの人にうつるから言ってるんやで!!!』


という感じだったのだけど(エセ関西弁で)


案の定、その子由来らしき風邪にかかって

発熱し咳がとまらず、

仕事の本番(開店の一番忙しい時期)のときに

休んだのは結局は自分だったという。


そして自分に風邪をうつした当人は

『無理しないでくださいねえ~~?』などと言ってくる。

おまえのせいだっつの。



そして、子供がいる人の家に行って そこの子が風邪だったりすると

絶対もらう。

まあ、子供なんてしょっちゅう風邪ひいてるから仕方ないけど。


ひどかったのは、自分の姉の家に行ったら、

そこんちの子の肌に 何やらブツブツの痕が残っている。


私『おねえちゃん、このブツブツ、なにかな・・・』

姉『あーそれ?こないだまで水ぼうそうでさあ~。

でももう外出許可も出たから大丈夫だと思うよ。

あんたも水ぼうそう、昔やったことあるよね?』

私『え、わかんない・・』


ものすごくする、イヤ~~な予感。

念のためオカンに

『ねえ、わたしって昔、水ぼうそうかかったことあるかな?』

と電話してみると、

『え~~?さあねえ、兄弟多いから誰が何にかかったかなんて

わかんないわ、あはは!』

だそうで、ますますイヤな予感。


そして、案の定、三日後くらいから、出て来たよ!

最初はお腹からだったの。

それが、いつのまにか顔にも。

謎のブツブツがちょっとずつ広がっていく恐怖たるや・・!


水ぼうそうよ、こんにちは。

高熱と全身のブツブツという病魔。


大人になってからの水ぼうそうは酷くなるし、

痕も残るっていうからあのときは絶望したね。


完治まで10日くらいかかったかな。

幸い、痕は思ったほど残らなかったけど、

今でも眉毛の下に大きなクレーターみたいに

凹状になってしまっているところがあるのが悲しい。


おととしくらいは、夫が職場から拾ってきた

インフルエンザにかかったっけな・・

(夫は早い段階で適切な処置を受けたので軽く済んだけど

自分は重症化した)



まあね?風邪でもね?100歩譲ってどうしてもその日、

その人にしかできない仕事があったりするなら

職場に来るのもやむをえないんだろう。

でも、職務が終わったら速やかに帰ってほしい。

たいていの仕事は誰かがいなくても回っていくものなんだから。

それで本当に「仕事が回らない」というなら、

そもそもそれが問題なのでは?


無理して出勤すると結局は職場に風邪がパンデミック

ひとりひとりと順番に休んでくだけのことになるわけで。

最初に食い止めれば生産性はそれほど落ちないのに、

って話ですよ。


インフルエンザとかにまでなっちゃうと職場に来るのは禁止なわけだけど、

風邪でもひどそうなやつはなんなら外出禁止令出してほしい。

というか、『忙しくても風邪なら休みなよ』という

寛容な心の人が、もっと増えるべきなのか。

というか、病気なら休む、当たり前のことなはずなんだけどなー。


そこらへんはお互いさまなわけで。

『俺/私は病気なんてしないからっ!』

っていう勇ましい人はいいけど

たいていの人は、まあたまには体調崩しますよね。


あと『風邪だけど頑張って仕事しちゃう俺/私』みたいな人の

意識もまず変わってもらいたい。

そういうタイプの頑張りは、特に周りの人には暑苦しいだけで

なんとも思われませんので。


比べるのはなんだけど、欧米の人は風邪ひいたら

軽くても職場や学校に来ないようにする、っていうことも

よく見聞きするんだけどな。

もうちょっと住みやすい世の中になりますように。

面白すぎる漫画 【超個人的Best5】 ②

poweredbymbm.hatenablog.com


さてさて、(特に誰も見てないと思うけど、)ドンドン行っくぞぉ~~。

BEST1~3です。

どこからどうやってその発想が出て来た?

って作品ばかり。漫画家って凄いな...


【第3位】『イノサン(全9巻)』『イノサンRouge(既刊2巻)』(坂本眞一集英社

イノサンはヤンジャンで第1回目を立ち読みして(買え)

『これは・・すごい漫画が始まったかもしんまい!そのとき、歴史が動いた!」

と まじで思った作品。

そして、読み進めるにつれ、本当に凄味がどんどん増していくのでR。


時代はフランス革命前夜、18世紀。

パリの処刑執行を家業とするサンソン家に生まれた

シャルル=アンリ・サンソンは子供のころから厳しい父によって

一流の処刑執行人になるように教育されていた。


心優しく純粋なシャルルは、自分の置かれた立場を

なかなか飲み込むことができない。

しかし、そんな彼も数々の死刑執行の現場に立ち会い、

自分の職務を全うしようと考え方を変えていく。


この作品、絵はさすがの坂本さん、ものすごく耽美で緻密。

そしてその絵柄で描かれる処刑シーンの残酷なこと。


首がなかなか落とせないとか、

馬で四肢を引っ張られて八つ裂きにされるとか・・・

うわあぁぁぁああああああ

と目を覆いたくなりますが、そこは血がどばーん!内臓どーん!というわけでなく、

上手いこと比喩表現に変えられていたり。

その表現方法も斬新で見事。


あの時代には処刑というものが「みせもの」だったのだなあと

今からたった二百何十年前のことだとはとても信じられないほど。

人間って根本は残酷なんだろうなあ、と思わされます。


そして、純真で潔癖すぎてもうこれは永遠のDなのかと思っていたシャルルが

ついに女性とホニャララするシーンもお見事!

あんな初体験シーン、初めて見ました。

爆笑しました。


そして、その後 気弱でヘタレぽかったシャルルが 急に

『キリッ!!!』

としてしまうのも

滑稽ながらも、気持ちはなんだか わ~か~る~~!

男性としての自信ってそういうとこに集約されたりするんだろうな・・・


グロもエロも見せ方が素晴らしくオリジナリティーがあり、

こんな漫画なかなか描こうと思っても描けないよ。


ヤンジャンからグランドジャンプに掲載誌が変わって、

ストーリーはシャルルの妹・マリーが中心に。


パンクな『男装の麗人』的マリーちゃんがこれまためちゃめちゃ美しい。

子供のころから自分こそが家業を継ぎたいと燃えていたマリーには

性別の壁が立ちはばかる。

気弱だったシャルルも家長としての権限を駆使し、

マリーの希望に難色を示し妨害しようとする。


子供のころに凌辱されたその恨みもあり、

なんとかして己の意志を果たそうとするマリー。


わたしのフランス革命の知識はすべて『ベルサイユのばら』から

学んだものですが

マリーアントワネットやデュバリー夫人、

彼女らが他の作家の手にかかるとこういう風になるのか!!

という目からウロコ的新鮮さがありました。

あの首飾り事件がどう描かれるのかなんてのも、見どころです。


『イノサン』では、『ベルばら』で男性社会の中でサバイブする

オスカルのような役割をマリーちゃんが担っているんですね。


【第2位】『監獄学園(プリズンスクール)』(平本アキラ講談社 既刊20巻)

由緒あるお嬢様高校が共学になってから初めての男子生徒、キヨシら5人は

入学早々の不祥事で学園内の監獄(プリズン)に入れられてしまう。

プリズンを管理するのは理事長の娘である会長を中心とする裏生徒会の3人。

裏生徒会の拷問に耐えつつも、脱獄計画を企てる5人だが・・・


あらすじを言えばこんな感じではありますが、

肝心の内容はといえば

下らなさの極致、バカバカしさの極みです(褒め言葉


三国志の限定フィギュアを手に入れるため教室で脱糞する者あり、

ペットのアリを助けるために暴力を受ける者あり、

露出度の高めの制服に身を包んだ超高校級ボディを持つ副会長から

お仕置きという名のご褒美を受けるため奴隷に徹する者あり、

裏生徒会との闘いに局部を武器にする者あり・・

まさにカオス!!


特に裏生徒会のナンバー3、腕っぷしが強いが

異性関係には純情な花ちゃん(上記表紙絵参照)とキヨシの仁義なき報復合戦は

いつしか二人だけの蜜なSMプレイ的間柄に突入。


尿をかけたりぶっかけられたり、

一体いつまでこの尿戦争は続くのか。


尿関連といえば

喜国雅彦の青春残酷SM漫画『月光の囁き』を思い出します。

思春期の男性というのは女子の尿にときめいてしまうものなのか。

(たぶんごく一部)


尿といえば(何回言うんだ)、

わたしの好きなラースフォントリアー監督の映画にも

放尿シーンが盛り込まれてたりするのですが

この『メランコリア』とか ↓

「見てはいけないものを見てしまった」ラッキー感が

放尿にはあるのでしょうか。


まあ、男性の放尿はしばしば見かける機会はありますもんね。

決してときめいたりはしませんが・・


カテゴリー的には学園お色気コメディなんでしょうが、

その下ネタの斜め上っぷりが素晴らしく、

去年いちばん笑わせてもらった漫画でした。

ただ笑えるだけでなく案外ストーリーテリングもしっかりしており

スリリングで読ませます。


直近の巻は運動会編に突入してますますどこを目指してるのか

分からなくなってきてはいますが・・・


【第1位】『ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社 既刊7巻)

ゴールデンカムイ コミック 1-4巻セット (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ コミック 1-4巻セット (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

マンガ大賞を取ったりこの「マンガがすごい!」でも2位になっていたりと

なかなかに最近話題だった作品。

読んでみたらなるほど、めちゃめちゃ面白いのです。

もっと早く読んでおけば良かった!と後悔するほど。


舞台は日露戦争後の日本。

日露戦争での鬼神のような戦いぶりで武功をあげた杉元は

ゴールドラッシュの噂を聞き、北海道にやってくる。

ある死刑囚が逃亡の際、アイヌの人々から奪った大量の金塊を

どこかに隠したという話を耳にした杉元は

その隠し場所の手がかりとなる脱獄した囚人たちを探し始める。

しかしそこには凶悪な囚人たちだけでなく、金塊を狙うさまざまな悪党がはびこり、

さらにヒグマやオオカミなどの獣たちとの死闘まで巻き起こる。

その最中、出会ったアイヌの少女・アシリパに助けられた杉元は

彼女と行動を共にすることになるが・・


こうやって書くと物凄い硬派な作品なようですが、

歴史サバイバル漫画でありつつ、ジビエグルメ漫画という側面も持つ本作。

厳しい冬の北海道の自然の中では、当然どんな生き物も

素晴らしい神の恵みなのであります。


だからアシリパさんは喰う!喰う!喰う!

ヒグマ、リス、ウサギ、シカ、タヌキ、カワウソ、シャチ・・

肉は栄養に、皮や骨は衣類や道具、武器に。

余すところなく使うのが恵みへの感謝の気持ちにもなるわけで。


普通、ジブリアニメなどでもそうだけど、こういう自然が舞台の作品は

小動物を自分の相棒にしていつも肩に載せたりして愛でたりしますが、

ヒロインであるところの美少女・アシリパさんは

小動物も容赦なく狙い、お腹に収めてしまいます。


特にフレッシュさが求められる脳みそや目玉というごちそうを

都会っ子の杉元に容赦なく食べさせるアシリパさん。

それを拒否することなく食べる杉元(目は死んでる)。


同じものを食べることによってお互いの信頼関係が深まって

親密さが増すわけですね。


弾が当たっても斬られても死なず、『不死身』と呼ばれたほどの杉元も

しっかり者のアシリパさんの前ではサザエさんに怒られるカツオのようなもの。

屈強な男が少女を守るだけでなく、逆に守られるという関係性が

また萌える。


そしてジビエ料理やホルモン系の内臓料理などは得意ではない自分ですが、

アシリパさんが作る料理や食べるシーンが実においしそうで

一緒に味わってみたい気分になります。


杉元とアシリパさんだけでなく、

二人が道中で出会う脱獄王で絵にかいたようなお調子者で

ドジっ子、動物には必ず頭をかじられる要員である白石、

ヒグマハンターの脱獄犯、いい現場に出くわすと「勃起!!」してしまう二瓶、

あの新選組の生き残り(?)のジジイ・土方、

前頭葉を多少ふっとばされてるためかイカれた言動の軍人・鶴見、

殺人に性的興奮を覚えてしまう変態・辺見

などなど、キャラクターの濃い変質者ばかり。


とんでもない悪党どもなんだけど、

どいつもこいつも人間味があふれていて、憎みきれない者ばかり。


殺人に快楽を覚えるサイコキラーでありつつ

自身も究極の殺され方を夢見ている辺見と杉元の死闘なんて、

ゾっとしつつも笑えるし、ほんのりBL感もあり、

作者のキャパシティーの広さを感じさせます。


シリアスなシーンと獲物を料理して食べたりするシーンの緩急の付け方も見事。


以前、『ハチミツとクローバー』『三月のライオン』の羽海野チカ先生も

シリアスなシーンを描いたら今度はギャグのシーンを入れたり

一話にもいろんな要素を詰め込んで読者を飽きさせないようにする、

というようなことを語ってたような気がしますが、

この野田サトルさんという漫画家も そういったような作品づくりを

してるんじゃないかなあと思います。

食べ物のシーンがちょいちょい差し込まれるのも共通しているし。


物語はまだまだ序盤ですが、巻が進むにつれ

どんどん面白くなっていく漫画はそうそうありません。

漫画史に残る名作になりそうな作品です。



一時期、自分もあんまり漫画を読んでない時期もありましたが

漫画界というのはその間もどんどん進化して

様々なジャンルの漫画が日々生まれています。

漫画家さんの発想力には驚かされることばかり。


最近の漫画読んでないなー、という方も多いと思います。

学生のころにはあんなに漫画を読んでた友達も

いつしか読まなくなってたり。


自分は小説も読むし、映画もそこそこ観るほうだと思いますが、

表現方法として漫画の方が子供向けである、劣っているなんてことは

絶対にないと思います。当たり前ですが。


たとえそれが子供向けの作品であっても、子供がものすごく楽しんで読むものは

大人も同じように楽しめる作品なのだと思いますし、

大人の読書に耐えうる漫画も続々と登場しています。


自分の周りの漫画を卒業しちゃった人たちにも

「こんな素晴らしいものがあるよ!」

と、どんどん進めていきたい所存です。

そしてこのブログもどこかの誰かが漫画を手にするきっかけに

なることがあるといいな、なんて思ったり。


というわけで、これからも素晴らしい作品を

ご紹介していきます。

面白すぎる漫画 【超個人的Best5】 ①

さて、『A子さんの恋人』に関してまだまだ書きたいこともあるのですが、

ここで最近わたしがめちゃめちゃ面白い/凄いと思ってる漫画を発表しまーす。

そんなもん、誰も聞いてねーよ!と自分でツッコミたくなるのも

やまやまですが、

自己満足でぇ~~す。


【第5位】『先生の白い嘘』(鳥飼茜/講談社 既刊5巻)

先生の白い嘘(2) (モーニングコミックス)

先生の白い嘘(2) (モーニングコミックス)


これは・・・単純に面白いというか、怖い。

サイコホラーのような恐ろしさ。加えてどんどんサスペンスじみてきた。

人間のエゴとか業をこれでもかと抉りに抉って、

目の前に突き付けられてもう勘弁してほしい!と言いたくなる。


主人公である高校教師・美鈴は友達の彼氏・早藤によってレイプされる。

『生きてるだけでこんな目に遭う/わたしが女のせいで』

精神的に一旦は崩壊しかけた美鈴だが、

いつのまにか早藤の支配下に置かれ、友人に隠したまま

セックスだけの関係を続けている。


美鈴だけにではなく、ほかの女性にも早藤は同様のことを繰り返している様子。


早藤の彼女であり、美鈴の友人である美奈子は

完全に「フレネミー」というやつで、真面目で男慣れせず、

長い間処女だった美鈴のことを見下しながらも、

「気の置けない、友達想いの友人」という態度を崩さない。

(早藤と陰でセックスしている美鈴も同じようなものだけれども)


そこに美鈴の生徒で、望まないセックスにより勃起不全になってしまった新妻、

引きこもりの兄との関係性により性に対していびつさを抱えている三郷佳奈、

早藤の第二の犠牲者・玲菜。


性による業によって己をこじらせ、闇を抱える人ばかり。

最後、どうなるのかほんと恐ろしい。


さすがに鬼畜・早藤にはなんらかのマイナスが降りかかって欲しいなあ、

とは思うけど、現実にはこういう人ほど

客観的に見ると 全うで かつ やや人より恵まれた生活を

これからも送っていってしまいそうな気がする。


【第4位】『プリンセスメゾン』(池辺葵/小学館 既刊2巻)

プリンセスメゾン 1 (ビッグコミックス)

プリンセスメゾン 1 (ビッグコミックス)

こちらは、可愛い絵柄とホンワカした色合いで癒し系漫画かと思いきや、

内容には辛辣なものがあったりする。

古くて小さなアパート暮らし、居酒屋店員の沼越さんは

分譲マンションを買うのが夢。

休みの日にはひとりでモデルルームを巡る。

居酒屋勤務だけでマンションが買えるのか?(しかも都内)

と誰もが思うところだろうけど、

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(1巻より)

沼越さんは真剣だ。

『努力すればできるかもしれないこと』なのだから。


沼越さん以外の、「おひとりさま女子」をも描いたオムニバス形式で

物語は進行する。

そこに描かれてるのは、一見寂しそうにも見えるけど

きちんと働き、自分の楽しみは自分で見つけ、生活を充実させている女子たち。


とくにこのエピソードなんていいですね。

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いかにも高級そうな、デラックスなマンションで独りで暮らしているご婦人。

「どんなにがんばったら買えるんだろう・・」

と沼越さんはつぶやく。


そして、そのマンションに住んでいる当の彼女は、窓辺から聞こえてくる

別宅の家族の温かい団欒の会話を聞きながら、

幸福そうにしているのだ。

グっときますね。


長くなってきたので②に続きます。