まんざらでもない生活日誌略して「まんせい」

本、漫画、映画、音楽が好きなサブカルになりきれない者の戯言です

面白すぎる漫画 【超個人的Best5】 ②

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さてさて、(特に誰も見てないと思うけど、)ドンドン行っくぞぉ~~。

BEST1~3です。

どこからどうやってその発想が出て来た?

って作品ばかり。漫画家って凄いな...


【第3位】『イノサン(全9巻)』『イノサンRouge(既刊2巻)』(坂本眞一集英社

イノサンはヤンジャンで第1回目を立ち読みして(買え)

『これは・・すごい漫画が始まったかもしんまい!そのとき、歴史が動いた!」

と まじで思った作品。

そして、読み進めるにつれ、本当に凄味がどんどん増していくのでR。


時代はフランス革命前夜、18世紀。

パリの処刑執行を家業とするサンソン家に生まれた

シャルル=アンリ・サンソンは子供のころから厳しい父によって

一流の処刑執行人になるように教育されていた。


心優しく純粋なシャルルは、自分の置かれた立場を

なかなか飲み込むことができない。

しかし、そんな彼も数々の死刑執行の現場に立ち会い、

自分の職務を全うしようと考え方を変えていく。


この作品、絵はさすがの坂本さん、ものすごく耽美で緻密。

そしてその絵柄で描かれる処刑シーンの残酷なこと。


首がなかなか落とせないとか、

馬で四肢を引っ張られて八つ裂きにされるとか・・・

うわあぁぁぁああああああ

と目を覆いたくなりますが、そこは血がどばーん!内臓どーん!というわけでなく、

上手いこと比喩表現に変えられていたり。

その表現方法も斬新で見事。


あの時代には処刑というものが「みせもの」だったのだなあと

今からたった二百何十年前のことだとはとても信じられないほど。

人間って根本は残酷なんだろうなあ、と思わされます。


そして、純真で潔癖すぎてもうこれは永遠のDなのかと思っていたシャルルが

ついに女性とホニャララするシーンもお見事!

あんな初体験シーン、初めて見ました。

爆笑しました。


そして、その後 気弱でヘタレぽかったシャルルが 急に

『キリッ!!!』

としてしまうのも

滑稽ながらも、気持ちはなんだか わ~か~る~~!

男性としての自信ってそういうとこに集約されたりするんだろうな・・・


グロもエロも見せ方が素晴らしくオリジナリティーがあり、

こんな漫画なかなか描こうと思っても描けないよ。


ヤンジャンからグランドジャンプに掲載誌が変わって、

ストーリーはシャルルの妹・マリーが中心に。


パンクな『男装の麗人』的マリーちゃんがこれまためちゃめちゃ美しい。

子供のころから自分こそが家業を継ぎたいと燃えていたマリーには

性別の壁が立ちはばかる。

気弱だったシャルルも家長としての権限を駆使し、

マリーの希望に難色を示し妨害しようとする。


子供のころに凌辱されたその恨みもあり、

なんとかして己の意志を果たそうとするマリー。


わたしのフランス革命の知識はすべて『ベルサイユのばら』から

学んだものですが

マリーアントワネットやデュバリー夫人、

彼女らが他の作家の手にかかるとこういう風になるのか!!

という目からウロコ的新鮮さがありました。

あの首飾り事件がどう描かれるのかなんてのも、見どころです。


『イノサン』では、『ベルばら』で男性社会の中でサバイブする

オスカルのような役割をマリーちゃんが担っているんですね。


【第2位】『監獄学園(プリズンスクール)』(平本アキラ講談社 既刊20巻)

由緒あるお嬢様高校が共学になってから初めての男子生徒、キヨシら5人は

入学早々の不祥事で学園内の監獄(プリズン)に入れられてしまう。

プリズンを管理するのは理事長の娘である会長を中心とする裏生徒会の3人。

裏生徒会の拷問に耐えつつも、脱獄計画を企てる5人だが・・・


あらすじを言えばこんな感じではありますが、

肝心の内容はといえば

下らなさの極致、バカバカしさの極みです(褒め言葉


三国志の限定フィギュアを手に入れるため教室で脱糞する者あり、

ペットのアリを助けるために暴力を受ける者あり、

露出度の高めの制服に身を包んだ超高校級ボディを持つ副会長から

お仕置きという名のご褒美を受けるため奴隷に徹する者あり、

裏生徒会との闘いに局部を武器にする者あり・・

まさにカオス!!


特に裏生徒会のナンバー3、腕っぷしが強いが

異性関係には純情な花ちゃん(上記表紙絵参照)とキヨシの仁義なき報復合戦は

いつしか二人だけの蜜なSMプレイ的間柄に突入。


尿をかけたりぶっかけられたり、

一体いつまでこの尿戦争は続くのか。


尿関連といえば

喜国雅彦の青春残酷SM漫画『月光の囁き』を思い出します。

思春期の男性というのは女子の尿にときめいてしまうものなのか。

(たぶんごく一部)


尿といえば(何回言うんだ)、

わたしの好きなラースフォントリアー監督の映画にも

放尿シーンが盛り込まれてたりするのですが

この『メランコリア』とか ↓

「見てはいけないものを見てしまった」ラッキー感が

放尿にはあるのでしょうか。


まあ、男性の放尿はしばしば見かける機会はありますもんね。

決してときめいたりはしませんが・・


カテゴリー的には学園お色気コメディなんでしょうが、

その下ネタの斜め上っぷりが素晴らしく、

去年いちばん笑わせてもらった漫画でした。

ただ笑えるだけでなく案外ストーリーテリングもしっかりしており

スリリングで読ませます。


直近の巻は運動会編に突入してますますどこを目指してるのか

分からなくなってきてはいますが・・・


【第1位】『ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社 既刊7巻)

ゴールデンカムイ コミック 1-4巻セット (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ コミック 1-4巻セット (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

マンガ大賞を取ったりこの「マンガがすごい!」でも2位になっていたりと

なかなかに最近話題だった作品。

読んでみたらなるほど、めちゃめちゃ面白いのです。

もっと早く読んでおけば良かった!と後悔するほど。


舞台は日露戦争後の日本。

日露戦争での鬼神のような戦いぶりで武功をあげた杉元は

ゴールドラッシュの噂を聞き、北海道にやってくる。

ある死刑囚が逃亡の際、アイヌの人々から奪った大量の金塊を

どこかに隠したという話を耳にした杉元は

その隠し場所の手がかりとなる脱獄した囚人たちを探し始める。

しかしそこには凶悪な囚人たちだけでなく、金塊を狙うさまざまな悪党がはびこり、

さらにヒグマやオオカミなどの獣たちとの死闘まで巻き起こる。

その最中、出会ったアイヌの少女・アシリパに助けられた杉元は

彼女と行動を共にすることになるが・・


こうやって書くと物凄い硬派な作品なようですが、

歴史サバイバル漫画でありつつ、ジビエグルメ漫画という側面も持つ本作。

厳しい冬の北海道の自然の中では、当然どんな生き物も

素晴らしい神の恵みなのであります。


だからアシリパさんは喰う!喰う!喰う!

ヒグマ、リス、ウサギ、シカ、タヌキ、カワウソ、シャチ・・

肉は栄養に、皮や骨は衣類や道具、武器に。

余すところなく使うのが恵みへの感謝の気持ちにもなるわけで。


普通、ジブリアニメなどでもそうだけど、こういう自然が舞台の作品は

小動物を自分の相棒にしていつも肩に載せたりして愛でたりしますが、

ヒロインであるところの美少女・アシリパさんは

小動物も容赦なく狙い、お腹に収めてしまいます。


特にフレッシュさが求められる脳みそや目玉というごちそうを

都会っ子の杉元に容赦なく食べさせるアシリパさん。

それを拒否することなく食べる杉元(目は死んでる)。


同じものを食べることによってお互いの信頼関係が深まって

親密さが増すわけですね。


弾が当たっても斬られても死なず、『不死身』と呼ばれたほどの杉元も

しっかり者のアシリパさんの前ではサザエさんに怒られるカツオのようなもの。

屈強な男が少女を守るだけでなく、逆に守られるという関係性が

また萌える。


そしてジビエ料理やホルモン系の内臓料理などは得意ではない自分ですが、

アシリパさんが作る料理や食べるシーンが実においしそうで

一緒に味わってみたい気分になります。


杉元とアシリパさんだけでなく、

二人が道中で出会う脱獄王で絵にかいたようなお調子者で

ドジっ子、動物には必ず頭をかじられる要員である白石、

ヒグマハンターの脱獄犯、いい現場に出くわすと「勃起!!」してしまう二瓶、

あの新選組の生き残り(?)のジジイ・土方、

前頭葉を多少ふっとばされてるためかイカれた言動の軍人・鶴見、

殺人に性的興奮を覚えてしまう変態・辺見

などなど、キャラクターの濃い変質者ばかり。


とんでもない悪党どもなんだけど、

どいつもこいつも人間味があふれていて、憎みきれない者ばかり。


殺人に快楽を覚えるサイコキラーでありつつ

自身も究極の殺され方を夢見ている辺見と杉元の死闘なんて、

ゾっとしつつも笑えるし、ほんのりBL感もあり、

作者のキャパシティーの広さを感じさせます。


シリアスなシーンと獲物を料理して食べたりするシーンの緩急の付け方も見事。


以前、『ハチミツとクローバー』『三月のライオン』の羽海野チカ先生も

シリアスなシーンを描いたら今度はギャグのシーンを入れたり

一話にもいろんな要素を詰め込んで読者を飽きさせないようにする、

というようなことを語ってたような気がしますが、

この野田サトルさんという漫画家も そういったような作品づくりを

してるんじゃないかなあと思います。

食べ物のシーンがちょいちょい差し込まれるのも共通しているし。


物語はまだまだ序盤ですが、巻が進むにつれ

どんどん面白くなっていく漫画はそうそうありません。

漫画史に残る名作になりそうな作品です。



一時期、自分もあんまり漫画を読んでない時期もありましたが

漫画界というのはその間もどんどん進化して

様々なジャンルの漫画が日々生まれています。

漫画家さんの発想力には驚かされることばかり。


最近の漫画読んでないなー、という方も多いと思います。

学生のころにはあんなに漫画を読んでた友達も

いつしか読まなくなってたり。


自分は小説も読むし、映画もそこそこ観るほうだと思いますが、

表現方法として漫画の方が子供向けである、劣っているなんてことは

絶対にないと思います。当たり前ですが。


たとえそれが子供向けの作品であっても、子供がものすごく楽しんで読むものは

大人も同じように楽しめる作品なのだと思いますし、

大人の読書に耐えうる漫画も続々と登場しています。


自分の周りの漫画を卒業しちゃった人たちにも

「こんな素晴らしいものがあるよ!」

と、どんどん進めていきたい所存です。

そしてこのブログもどこかの誰かが漫画を手にするきっかけに

なることがあるといいな、なんて思ったり。


というわけで、これからも素晴らしい作品を

ご紹介していきます。